暴落を警戒してか、日経平均株価と逆の動きをする「インバース型」のETFに注目が集まっており、その中でも特に人気なのが、日経平均の「ー2倍」の値動きをするよう設計された1357NEXTFUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信です。
コイケjr.
コイケ
安易に手を出すと痛い目に合う、ダブルインバースの減価の仕組みとその対処方法についてご紹介します!
目次
ダブルインバースの仕組みと減価について
ダブルインバースとは?
ダブルインバース(1357)は、原指標となる日経平均株価の「日々の騰落率のー2倍」の値動きをするように設計されています。
ここでポイントなのが、「日々の騰落率」というところで、複数日にわたる騰落率がー2倍になるとは限りません。
岡三オンライン証券の公式サイトに、とてもわかりやすいグラフがあったので見てみましょう。
上記グラフは、日経平均株価が3日連続で下がった時のダブルインバースの値動きです。
「前日との騰落率比較」ではいずれも-2倍になっていますが、基準日との騰落率は、複利効果で徐々に差が開いています。
一方こちらのグラフは、日経平均株価が3日連続で上がった時のダブルインバースの値動きです。こちらも「前日との騰落率比較」では全て-2倍になっていますが、基準日との騰落率を比較すると、日数が経つ毎に差が縮まっているのがわかります。
前日を基準としてパーセンテージを計算しているので、以下のように、同率で減少したとしても基準となる金額が大きければ値幅も大きくなり、基準となる金額が小さければ値幅も小さくなります。
このような原理で、日経平均株価が連日下落し、ダブルインバースが連日上昇するような局面ではダブルインバースの上昇幅は拡大し、反対に日経平均株価が連日上昇しダブルインバースが連日下落する局面(上図のケース)ではダブルインバースの下落幅が縮小していくという特性があります。
ダブルインバースの減価とは?
とはいえ、日経平均株価は基本的に日々、上下を繰り返すことが多いです。上下を繰り返すと、ダブルインバースの価格はどうなるでしょうか?
以下は、日経平均株価が10,000円から8,000円に値下がりし、3日目に元の10,000円に戻った場合のダブルインバースの値動きを表したものです。スタートのダブルインバースの価格はわかりやすく1,000円としています。※実際に短期間でこんな急な値動きはしないのですが、わかりやすく極端にしています。
コイケjr.
岡三オンライン証券の公式サイトに、上下を繰り返しながら推移する場合のレバレッジとインバースの値動きについてのグラフもあったので載せています。こちらの方が現実的なのですが、やはり原指標が元に戻ってもレバレッジ、インバースともに元に戻らず逓減しています。
これが減価です!
日経平均売り継続で損失を取り戻したいなら減価しないものを選ばないといけません。
ダブルインバースを塩漬け状態にしてはいけない!
というわけで、おわかりいただけたかと思うのですが、ダブルインバースは減価するので長期保有には向いていません
日経平均は、長いスパンで見ると必ず暴落する時期があるんだから、ダブルインバースをずっと持ってりゃいつか儲かるよね。
こんな軽い気持ちで購入する人が多い商品だと思うのですが、減価するのでこの考えは甘いです。
今は含み損バリバリの塩漬け状態だけど、放置してればいつか助かるよね。
塩漬けは助かりません。100%とは言いませんが、一度価格が大きく下落してしまうと、その下落後の価格が基準となるので再浮上が難しく、助からない可能性の方が高いので、塩漬けせずに諦めて潔く損切りすることをおすすめします。
ダブルインバースのおすすめの買い方
結局ダブルインバースはできれば手を出さないほうが良いと思うのですが、買うのならダブルインバースが「上昇トレンド」になるのを確認してから(日経平均株価の下落局面)、順張りで短期間、少額だけ買うのをおすすめします。
「そろそろ日経上がりすぎだから下がりそう」という何の根拠もない判断での購入は危険です。最近はAIによる自動売買が増えたからか、日経平均株価は上がるときは上がり続け、下がるときは下がり続けるという極端な値動きが多いです。逆張りで反発狙いの大儲けをしようとすると、かえって痛い目に合う可能性が高いです。
また、日経平均株価は海外投資家の動向に左右されるので、海外投資家動向が買い越しなのか売り越しなのか等も参考にすると良いでしょう。
あの歴史的なコロナショックがあったにもかかわらず、5年のチャートを見てみるとひたすら右肩下がりの残念な状態です。これなら、塩漬け状態だとしても配当がもらえる個別銘柄の方がまだマシですよね。
必ず損切りラインを決めておき、予想外の値動きをしたらナンピンはせずに潔く損切りしましょう。
損切りせずにナンピン&塩漬けしていると過去の私のようになりますよ…↓
【関連記事】
減価しないダブルインバース同様の投資方法もある!
ダブルインバースをおすすめしない理由
- ダブルインバースは長期保有で減価する
- 個別銘柄なら塩漬けでも再浮上のチャンスはあるし配当も見込める
- 売りを長期保有するなら減価しない株価指数CFD取引の方が有利
減価しないダブルインバース同様の投資方法がある!
ダブルインバースに興味があるのなら日経平均の株価指数CFDを売ればいいのに、と思うのですが知らない方が多く、非常にもったいないです。
日経平均CFDはこれです↓これの上から2段目。
- 資金2~3万円から取引可
- 売りからも入れる
- 日をまたいで保有したことによるコスト一切なし(GMOクリック証券CFDの場合)
- ほぼ24時間取引できるから塩漬けしても平気
CFDは、売りからも入れるんですよ、こちらの記事に詳しく書きました。
どうしても買いたい場合の注意点
最後に、前の章でも触れましたが、買う場合の注意点をまとめました。
- 上昇トレンド(日経平均下落トレンド)に転換してから買う
- 海外投資家の動向(売り越しなら買い)を参考にする
- 短期・少額で購入する
- 損切りラインを決めて、ナンピンはしない
基本的にこのようなレバレッジのかかった商品は減価するので購入はおすすめしませんが、以上の点に注意して購入してくださいね。
資産が少しでもある限り、投資は続けられますし、増やすチャンスはまだまだいくらでもありますから!
コイケ