コイケjr.
CFD取引でもインカムゲイン(配当)のようなものを狙った取引方法もありますよ。多くの方が実践しているので説明します。
目次
CFDを配当狙いで長期保有できる?
結論から言えば、CFDを配当狙いで長期保有することは可能です。正しくは「配当」ではなく配当のようにもらえるもの「価格調整額」を狙います。
株価指数CFDなら配当狙い可能
GMOクリック証券の場合、日経平均先物やNYダウ平均先物などの株価指数に連動する「株価指数CFD」に関しては保有コストが「価格調整額」しかかかりません。
株価指数CFDは先物取引を参照にして取引されているのですが、先物取引には決済期限があり、その期限までに決済しないと強制決済されてしまいます。そのため、CFD取引では決済期日を迎える先物(期近の先物)を決済して、まだ決済期日まで余裕のある先物(期先の先物)を買います。期近の先物と期先の先物は当然同じ価格ではないので、その際に発生する価格差が「価格調整額」となります。
価格調整額については、プラスになるのかマイナスになるのかの予想の仕方についても別記事に記載しましたので、ご覧ください。(下記読み進めると別記事リンクがあります↓)
長期保有しなければ価格調整額の恩恵なし?
ただ、価格調整額は配当のようにもらえるものと説明しましたが、価格調整額はあくまで「先物の限月切り替えによる価格差を埋めるためのもの」であって配当ではありません!
配当のように発生日直前にポジションを持って、翌日に決済したとしても配当が得られるというわけではないので注意してください。
例:日経平均株価CFDを買いで保有した場合
価格調整額発生日前日終値時点:CFD価格32000円(取得単価30000円)
価格調整額発生後始値:CFD価格31000円(取得単価29000円)
価格調整発生日をまたいだ場合、保有しているポジションの価格表記はこんな風に変化します。
この例の場合、日経平均株価CFDは限月切り替えに伴い、価格が1000円落ちています。実際、原資産である日経平均株価自体は1000円値下がりしたわけではないので、この価格差を埋めるため取得単価を1000円下げて価格差が調整されます。利益を計算するとどちらも利益は2000円となり、価格調整前後で利益に変化はないのがわかると思います。
先物には配当がないため、限月切り替え時点に現物の配当落ち分を既に織り込むためこのような価格差が生じるのです。現物が配当落ちを迎えるまで保有していれば…つまりは長期保有していれば価格調整額分、配当を得るのと同じような効果が得られるというわけです。
日経平均CFDの場合
日経平均CFDは年利16%可能!?
例えば日経平均先物に連動する日本225というCFDの場合、買いポジションを持っていると価格調整額が受け取れます。
2024年4月の日経平均株価の水準では最低38,409円で1枚買えます。1枚につき、以下の価格調整額が発生します。
年4回のうちでも、3月と9月が特に多めです。2018年~の履歴ですが、この水準で計算すると1枚につき年間6,000円程度受け取れるようになるので、1枚当たり投資金額38,000円だとして単純に年利を計算すると、16%になります。
注意点
コイケjr.
コイケ
まず、この年利16%というのは必要証拠金ギリギリで購入した場合です。株価指数CFDはレバレッジ10倍で購入可能なので、取引額の10分の1の資金があれば購入できます。
つまり、38,000円の資金で380,000円の取引をしていることになります。
保有している間に日経平均の価格が大きく値下がりすると、ロスカット(損切り)を余儀なくされてしまう可能性があり危険です。
ロスカットを避けるために、証拠金ギリギリの資金で取引するのではなく余裕資金を入金することをおすすめします。
というわけで、任意証拠金を入金してレバレッジを2~3倍くらいまで下げると、今回のケース(日経平均38,000円、価格調整額年間1枚約6,000円)で試算すると必要資金は100,000~140,000円程度になり、年利4~5%程度となります。
コイケjr.
コイケ
また、3月や9月は配当を出す企業が多く、権利取りのため月末の権利確定日に向けて株価が上がっていく傾向が強いです。
スマホと免許証(もしくはマイナンバーカード)があれば郵送物やり取り一切なしで簡単に登録できます!
イギリス100の場合
イギリス100なら年利25%?
日経平均CFDよりも少ない証拠金で、かつ価格変動が日経平均よりも比較的穏やかな株価指数CFDにイギリス100があります。
イギリス100というのは、イギリスのロンドン証券取引所における株価指数FTSE100を参照にしたCFDです。
こちらは2022年11月現在、1枚12,237円で購入できます。価格調整額はというと、長期にわたり買いポジション1枚につき1年3,000円程度もらえていました。
この記録に基づいて計算すると、必要証拠金ギリギリのレバレッジ10倍の場合、年利はなんと25%程度で、資金に余裕を持ってレバレッジ2~3倍に抑えても年利は5~8%となります。
注意点
しかしながら、イギリスの利上げ政策の影響により、2022年9月の価格調整額は買いポジションでマイナスとなっています。現在の金利水準が続くようであれば価格調整額は買いポジションでマイナスの状態になってしまうでしょう。
ちなみに、なぜ政策金利を上げると価格調整額が買いでマイナスとなってしまうのか、プラスになるのかマイナスになるのかの予想について、こちらの記事に書いたので参考にしてください。
イギリスは日経平均ほど価格変動が激しくないので、配当狙いで長期保有するには非常に適した銘柄でしたが、今後の価格調整額については金利政策の動向に左右されることとなりそうです。
配当狙いの空売りができる?
株価指数CFDの空売り
では、ほかに何か配当狙いで長期保有できる銘柄はないかと探した場合、おすすめしたいのが空売りの短期~中期保有です。
株式投資において個別銘柄を空売りをする場合、金利や逆日歩等の保有コストがかかりますよね。GMOクリック証券の株価指数CFDの場合、売りから入る場合でも価格調整額のみしか保有コストがかからないので、現在のような下落相場の場合、配当狙いで空売りの長期保有ができちゃいます。
アメリカ株は長期右肩上がりと言われており、企業の成長とともに株価も上昇していくという前提のもとでは基本的に空売りは長期保有は不向きとされていますが、2022年相場はここ1~2年の上昇分を消し飛ばすように大幅に下落していきました。
長期で見て右肩上がりでも、数か月単位で見ると下落が続くこともあります。そんな時に数か月限定で売りを保有し続ける方法も有効です。
こちらはナスダック総合指数の10年のチャートですが、2022年は大幅に下がっています。
そして、気になる価格調整額についてはアメリカ株の場合、ここ数年は利上げの影響もあり売りポジションでプラスとなっています。
まとめ:CFDを配当狙いで長期保有は可能だが利上げに注意
GMOクリック証券の株価指数CFDであれば、翌日に持ち越しても金利等の手数料がかからず、保有コストは価格調整額のみとなるため、その価格調整額がプラスになるポジションを狙って長期保有することも可能です。
ただし、価格調整額がプラスになるかマイナスになるのかは、その時の国の政策金利に左右されるため注意が必要です。