VWAPの使い方を学べば株デイトレの勝率が上がる

VWAP(ブイワップ)ってご存知ですか？

全く知らない方も、聞いたことはあるけどよくわからない方も、VWAPはうまく使いこなすことで勝率もあがりますので、その概要と使い方についてご紹介したいと思います。

VWAPとは？

VWAP(ブイワップ)とは、出来高加重平均価格のことです。簡単に言えば、その日の約定価格の平均値です。

VWAP=１日の総売買代金÷１日の総出来高で算出できます

このVWAPを知ることで、今の株価は今日の約定価格の平均値よりも上なのか下なのか把握することができます。つまり、今日買った人は、現時点で含み益の人が多いのか、含み損の人が多いのかがわかります。

そして、機関投資家などの大口取引をする投資家は、一度に大量の注文を出すと株価に大きな影響を与えてしまうためこのVWAPを売買取引時の目標値として使っています。実は、大口投資家向けのVWAPギャランティー取引(VWAP取引)というものもあるんですよ、ご存知でしたか？

VWAPギャランティー取引とは？

VWAPギャランティー取引とは、VWAPを基準にした株価での売買を証券会社に委託するという大口投資家向けのサービスです。

なぜこんなサービスが存在するのかと言えば、先ほども述べた通り、一度に大量の売買をすると株価が急騰(もしくは急落)してしまい、本来買う予定だった株価よりも高く買ってしまうリスクがあるからです。その他にも、株数にかかわらず約定単価を１本化できるなどのメリットなどがあります。大和証券のサイトの説明がわかりやすかったのでリンクを載せておきます。

大和証券のVWAPギャランティー取引について

こんなサービスもあるうえ、機関投資家の売買判断基準ともなっているため、このVWAPは株価の「支持線」「抵抗線」となる場合が多く、重要な指標として機能しているのです。

VWAPの使い方

VWAPの見方と使い方

というわけで、実際にはどのように使っていくのかご紹介します。

VWAPの見方は移動平均線の見方に似ています。VWAPは当日購入した人の損益分岐点のようなものなので、上回れば買い優勢、下回ると売り優勢となります。

①VWAPよりも株価が上で推移する場合

少し見にくいですが、ピンク色の線がVWAPの価格推移を表したものです。

始値辺りからVWAPを上回って推移すると、当日買った人は含み益の人が多いので、売りがでにくく、上昇基調となる可能性が高いです。11時頃から下げに転じていますが、VWAPが支持線となって跳ね返り(このグラフではVWAPまで下げていませんが)、再度上昇に転じています。

②VWAPよりも株価が下で推移する場合

これは①の逆パターンです。始値からVWAPより株価が下で推移する場合は、含み損となっている人が多く、売りが売りを呼ぶ展開となります。しかもこの日は前日と比較して大幅GU(前日終値よりも高く始まる)だったため、いわゆる「寄り天」状態で高値掴みとなってしまった人が多いと推測できます。こんな日はVWAPが「上値抵抗線」となって、ズルズル下げて行きやすいので、戻りを売る形で参入すると勝ちやすいです。

③VWAPを上方・下方ブレイク

開始直後は下がって、今日は売り圧力が強いのか？と思いきや、VWAPを下から上に突き抜けて大幅に上昇しています。こうなると買い圧力が強くなるので買い優勢となります。

VWAPと移動平均線を組み合わせた使い方

VWAPはデイトレのスキャルピングに適している指標なので、移動平均線の３～５分足と組み合わせて使うと良いでしょう。

ちなみに、楽天証券ならデイトレで使いやすい「３分足」「移動平均線」「VWAP」をチャートに同時に表示できるのでおすすめです。

楽天証券公式サイト

こちらは楽天証券のアプリの画面です。

VWAPと短期移動平均線が似たような色なので若干わかりにくいかもしれませんが、10時頃に短期移動平均線と中期移動平均線がデッドクロスしている上、VWAP付近まで戻ったものの陰線が出現したので「売り」と判断できます。

デイトレ以外で活用する場合でも、前日までのチャート、価格別出来高や貸借倍率などから売り優勢なのか買い優勢なのか、他の指標と組み合わせることで勝率が上がります。

VWAPと歩み値・板情報を組み合わせた使い方

一方こちらはSBI証券のアプリ画面です。

ちなみにSBI証券ではVWAPの数値はリアルタイムで表示されているのですが、チャートとして表示される機能はないようです(もし表示させる方法があったら是非教えてください)

パソコン画面でVWAPの価格を表示させながら、こちらのアプリ画面を開きます。

歩み値と板を見て、VWAP付近で大口の注文が確認できれば、その日は機関投資家などがVWAPを基準として注文を出している可能性が高いので、その流れに乗ると勝率が上がります。長いものには巻かれろ作戦です。

ちなみにこちらのSBI証券のアプリ画面では、チャート・歩み値・板情報を同時に見ながら、ワンタップで瞬時に注文できるので買い時・売り時を逃さずおすすめですよ。

SBI証券で 口座開設

VWAPと日経平均株価を組み合わせた使い方

特殊な買い材料、売り材料がなくても、日経平均株価が上げ基調・下げ基調の場合など、値動きが日経平均につられることが多いです。

この日は日経平均が右肩下がりの日でしたが、この銘柄は前半少し上げています。結局途中から日経平均につられるように下げていったので、VWAPを上回ったら日経平均に連れ安することを予想して売る、という手法もあります。

VWAPを使ったデイトレに適した銘柄は？

ただ、どの銘柄でも使える指標というわけではないので注意が必要です。VWAPはあくまで、その日の約定価格の平均値なので、出来高が非常に少ない銘柄や大口投資家が参入しないような低位株などで目安にするのには適していません。

売りの方が下げ速度が速いこともあり、デイトレでは空売りができる銘柄の方がやりやすいと思います。

今後はVWAPも意識しつつトレードに臨んでほしいと思います。

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