ロボアドバイザーROBOPRO(ロボプロ)とウェルスナビを徹底的に比較しました。ちなみに私はどちらも運用していましたが、途中からウェルスナビをやめてROBOPRO(ロボプロ)を増額して運用しています。どちらも運用経験があるので、どちらにするか迷っている方の参考になれば幸いです。
目次
ロボプロとウェルスナビの運用実績を比較
ロボアドバイザーを選ぶ上でまずは何より、運用パフォーマンスが高いロボアドバイザーを選びたいですよね。ただ、現時点での運用実績が良くても、それが今後も継続して好成績を収められるのか?という観点からも評価していきたいと思います。
2024年4月現在 直近1年間の運用実績を比較
【ロボプロ】
2024年3月末時点での運用実績です。
【ウェルスナビ】
2023年12月末時点での運用実績です。
2022年1月~12月の1年間の運用実績を比較
2022年はアメリカ株の利上げによる暴落等があり、投資家にとっては成果の出しにくい1年となりました。ロボアドバイザーの腕の見せ所とも言えるこの2022年の実績はどうだったのか比較します。
【ロボプロ】
公式サイトより引用しました。TOPIXがー5%、S&P500がー8%というなか、ROBOPROは+1.6%とプラスで着地しました。
【ウェルスナビ】
こちらも公式サイトから引用しました。ウェルスナビはリスク許容度が5段階から選べるようになっていますが、-4%~-0.8%とマイナスで着地しました。
運用開始来の運用実績比較
ロボプロは運用開始が2020年1月、ウェルスナビは運用開始が2016年1月なので、単純比較できませんが、ロボプロの運用実績は約4年間で75.84%、ウェルスナビは約8年間で58~125%(リスク許容度1~5)でした。年数で割ると、ロボプロは1年あたり平均18.9%、ウェルスナビは1年あたり平均7~15%上昇していることになります。
トータルで運用実績が良いのはロボプロ!今後も好成績が期待できる理由
運用実績を比較するとロボプロに軍配が上がります。
ただ、あくまでも運用実績というのは過去のデータであり、今後もその高パフォーマンスが継続できるのかというところが気になりますよね。
リバランス頻度や方法に違いがある
リバランスというのは、投資対象の見直しのことです。ロボプロはAI(人工知能)が搭載されており、過去の膨大なデータをもとに高パフォーマンスが見込める投資対象を予測して、月に1回、投資資産の割合を大胆に変更します。コロナショックのような大暴落があった場合などには、損失を拡大させないために「臨時リバランス」を行ったりもできるんです。
どんな風に投資割合を変更してきたかは、公式サイトのトップページに詳しく載っているので参考にしてください。
一方ウェルスナビのリバランス頻度は半年に1回です。こちらは市況に合わせて投資対象を変えるというわけではなく、最初に設定したリスク許容度に応じた配分比率から大きくずれないように調整する、というイメージです。投資判断についてAIが搭載されているわけではなく、あくまでも最初に設定したリスク許容度に応じた配分比率に忠実に運用していくという感じです。
ロボプロ
投資判断にはAIが搭載されており、市況に合わせて最適な投資対象・配分比率の見直しを月1回行う
ウェルスナビ
最初に設定したリスク許容度に応じた投資配分比率が崩れないよう半年に1回投資対象の見直しを行う
コイケ
ロボプロとウェルスナビの手数料を比較
気になる手数料ですが、どちらも預かり資産に対して年率1.1%(税込)です。
ウェルスナビには長期割がある
ウェルスナビは6か月毎に50万円以上なら0.01%ずつ、200万円以上なら0.02%ずつ最大0.9%の手数料が割り引かれるという制度がある一方で、ロボプロにはそのような割引制度はありません。
ROBOPROは毎月1回投資資産の買付・売却が行われる
ただ、ロボプロの場合は既述の通り毎月1回リバランスが行われるので、実際に自分で同じように取引したとすればその売買手数料が発生しますが、こちらの売買手数料についてもこの運用手数料に含まれています。市況の急激な変化に対して臨時にリバランスを行うこともあり、売買手数料の面から考えれば、リバランスの頻度の高いロボプロの方が手数料面ではお得だと思います。
その他、ロボプロにはAIにより毎月最適な資産配分に変える「投資アドバイス料」が含まれていると考えればロボプロの方が断然お得ですね。
とはいえ、正直運用実績が手数料を上回っているのであまり気にはなりません。(個人的な感想ですが)
ロボプロとウェルスナビの最大下落率を比較
あと、気になるのがこれまでどのくらい下がったことがあるのかということですよね。
今まで大きく下落したのはどちらも2020年のコロナショックの時です。ではそれぞれがその時にどのくらい下落したのか比較してみます。
3年以上前のことなので、細かいデータがありませんでしたがこのグラフから判断すると、ロボプロは-15%、ウェルスナビは-30%(リスク許容度5の場合)程度といったところでしょうか。
ロボプロが最大下落率をこんなに抑えられたのは、暴落を察知して株の割合を減らし、債券の割合を増やしたから、というのが上記グラフを見てもおわかりいただけたかと思います。以後、どちらもこんなに下がる事態は起こっていません。
ロボプロとウェルスナビのその他いろいろ比較
最低投資金額
ROBOPRO(ロボプロ)は10万円、ウェルスナビは1万円から始められます。始めやすさでいえば、ロボプロのほうが若干ハードルが高いかもしれません。
ただ、ROBOPRO(ロボプロ)はその後追加入金は1,000円から可能です。また、どちらも月1万円から自動積立が設定可能です。
新NISAに対応しているか
ウェルスナビのみ新NISAに対応しています。新NISAとは、その投資枠内で投資すると発生した売却益や配当金、分配金にかかる税金が非課税となるという制度です。一見、良さそうに感じるのですが、個人的にはロボアドバイザーでのNISA利用はおすすめしません。
そのNISAの枠を利用し、仮に売却してしまうと、もうその年にはその枠は使えないんですよ(非課税枠は翌年に復活します)。じゃあリバランス(資産の入れ替え)の時はどうなるの?と思いますよね。ウェルスナビの公式サイトを見ると
非課税メリットを失わないよう、リバランスの際は原則NISA口座の資産は売却しないと記載がありました。ただし、対象資産が5%以上も値下がりした場合に行う臨時リバランスの場合は、非課税メリットよりも5%以上の乖離を防ぐことを優先して資産の売却をするそうです。
新NISAでは生涯の非課税枠が1,800万円となるため、通常の口座を利用せず、NISA口座のみで利用する方も多くなるでしょう。
つまりNISA口座のみで運用する方は定期リバランスの対象外になります。
定期リバランスの対象外になったら…高い手数料を払ってまでロボアドバイザーで運用する意味ないじゃん…
と思いました。
一方ROBOPRO(ロボプロ)は定期リバランスの頻度は月に1度で、投資対象資産の入れ替えが行われます。
ROBOPRO(ロボプロ)はアメリカ株が不調の時に、アメリカ株は売却して一切保有しないという時期がありました。市況に合わせてポートフォリオを大胆に見直し頻繁に売買を繰り返しているからこそROBOPRO(ロボプロ)は高パフォーマンスを維持させています。つまり、短期間で売買を繰り返す場合はNISA枠には不向きなので、このような運用をしているROBOPRO(ロボプロ)はNISAに対応させる必要がないのです。
NISAに対応しているウェルスナビは、暴落したら損切りする機能はあるけど、基本的には大胆な資産配分変更は行いませんよ、と宣言しているようなものです。
その他にも途中でリスク許容度変更するときには売却しないといけないみたいですし、ウェルスナビでのNISA利用は以下のようなデメリットがあるので
- 他の証券会社でNISAを利用できなくなる
- 他の証券口座との損益通算ができない
以上を考えると、個人的にはロボアドバイザーでNISAを使えてもそんなメリットは感じないかな、というのが正直なところです。
まとめ:ロボプロとウェルスナビはどちらが良いのか
個人的な意見になりますが、私は実際に運用してみてROBOPRO(ロボプロ)の方が良いと思い、現在はロボプロ一択で運用しています。ロボアドとして知名度が高いのはウェルスナビですが、それは運用サービスの歴史が長く、新NISAに対応して良さそう!と思う初心者の方が多いからだと思っています。実際ウェルスナビでNISAを始めたら、最初のポートフォリオから大幅にずれこまない限り一切リバランスされないんですよ、これは盲点だったんじゃないでしょうか。
どちらも同じロボアドとして一括りにされていますが、市況に合わせてAIが判断し、月1回大胆に資産比率配分を変更してくれるサービスはROBOPRO(ロボプロ)以外他にないので、個人的にはROBOPRO(ロボプロ)とウェルスナビを比較するなんて論外、両者の違いは歴然だと思っています。ウェルスナビがロボアドだったとしたら、ROBOPRO(ロボプロ)は進化版ロボアドといったところでしょうか。別に私はROBOPRO(ロボプロ)の社員でも何でもないのですが、以上の理由から、これから始めるのであればROBOPRO(ロボプロ)をおすすめします!