日経先物の価格は翌日の日経平均株価に影響を与えるというので、夜間の日経先物の価格を見ようとしたけれど、色々あってどれを見ればいいのかよくわからない
同じ時間のはずなのに、CFD日経平均と、日経先物でだいぶ価格差があるんだけどどういうこと?
そんな疑問にお答えします!
目次
日経先物どれを見ればいい?
日経先物価格を調べようとするとこんなにあるんですよね。
日経平均先物は以下の3つの市場で取引されています。
- 大阪取引所
- シンガポール証券取引所(SGX)
- シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)
日経先物miniも日経先物ラージも大阪取引所で上場されており、miniは日経平均株価の100倍、ラージは日経平均株価の1,000倍が最低取引単位となっています。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)には円建てとドル建てがあります。
取引時間
取引時間は大阪取引所が8:45~15:15、16:30~翌5:30
SGXが8:30~15:25、15:55~翌6:15
CMEが8:00~翌7:00
となっており、現物株式とは異なり夜間も取引可能ですが、一番取引時間が長いのはCMEです。
出来高(取引量)
出来高を見ると、SGXが最も多く取引が活発です。大阪取引所は現物株式の取引時間である日本時間の昼間に出来高が多く、日本時間の深夜にかけては大阪取引所よりもCMEの出来高が多くなります。
日経先物どれを見ればいい?
さて、ではこんなにあって日経先物どれを見ればいいのでしょうか。
そもそも、先物取引は現物価格がこの先いくらになるのか予想して売買されるもので、仮に3つの日経先物価格に価格差が生じたとしても、対象となる現物(日経平均株価)は同じなので、その価格差を修正するように先物価格が売買されます。安い方を買って高い方を売ることを繰り返して利益を得るAIの自動売買なんかもあるわけで、価格差は瞬時に修正されるため、結論から言うとどれを見ても良いといえます。
コイケ
ただ、日経平均株価は米国株の影響を非常に受けやすい指数です。よく「先物主導の値動きとなり」という表現をニュースで聞くように、CME日経平均先物の価格変動は大阪取引所だけでなく、日経平均株価の現物の価格変動にも影響を及ぼすこともあり、国内外の投資家にとって注目度の高い指標となっています。
- 結論から言えばどれも同じ
- 日本時間の昼間は大阪取引所、日本時間夜間はCMEの価格動向に注意する
日経平均株価現物と日経先物との価格差はなぜ生じるのか
コイケjr.
配当を支払う企業の株価は、権利確定日の翌日に、配当価格分安くなって寄り付く傾向があります。ですので、日経平均株価に採用されている企業の中に配当を支払う企業がある場合は、権利確定日の翌日、配当落ちをした分だけ日経平均株価が下がる計算になるんです。
でも、先物取引は証拠金取引なので配当金がありません。そのため、日経先物価格は日経平均株価の配当落ち前の時点で既に配当落ち分を織り込み、配当落ち後の値下がりした価格で取引されるので、日経平均現物と先物の間に価格差が生じるのです。その価格差は権利落ち日に現物価格が配当落ちで下がるため解消し、現物も先物も同じような価格に落ち着くようになります。
コイケjr.
日経先物は3・6・9・12 月の第2金曜日に満期が到来して直近限月が交代するため(当該限月は交代前より既に配当落ちを見込んで安く取引されています)、第2金曜日満期到来~配当権利落ち日までの間に日経平均株価との価格差が大きくなります。配当支払いの多い3月末9月末は特に価格差が大きくなります。
時間外の日経平均株価の動向が気になる場合は、この価格差に惑わされないようにCFDの日経平均を参考にすると良いでしょう!
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決算発表後の寄付きは現物と先物の価格差が大きいので狙い目?
配当権利確定月ではなくとも日経平均株価と日経先物の価格差が大きくなることもあります。
日経平均株価を構成する企業のうち、寄与度の大きい企業の決算発表後に買いが集中し特買い気配となり寄り付かなかった場合、もしくは悪材料発表等で売りが集中し特売り気配となった場合、寄り付くまでその銘柄の価格は日経平均現物株価に反映されません。場中に一度も寄り付かなかったこともあるのですが、当然先物価格はその材料を織り込むので、現物価格との間に価格差が生じます。
悪材料の場合、先物の価格は割とオーバーに下落したりするのですが、現物は意外と高めに寄り付いたりするので、決算発表後の日経平均寄り付きなどはギャップを狙って取引するチャンスです。
安倍元首相の襲撃事件があった7月8日も前場の終わった時間外に事件が起こり、日経先物が一瞬で暴落したのですが、後場が始まると徐々に値を戻していきました。突発的なニュースなどで先物が時間外にオーバーに反応した時はその値動きに惑わされることのないよう注意しましょう。
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まとめ
日経先物は3市場で上場されていますが、基本的にはどれを見ても同じです。ただ、CMEは世界最大の先物市場であり、日経平均株価現物にも影響を及ぼす注目度の高い指数なので、日本の夜間時間はCMEを注視すると良いでしょう。また、権利確定月で日経平均の現物と先物の間に価格差が生じる期間は、価格差に惑わされないよう夜間などの時間外はCFDの日経平均の値動きを参考にすると良いかもしれません。