【株のアノマリー】SQと月別のアノマリーで稼ぐ方法

アノマリーってご存知でしょうか?

株式市場での「アノマリー」とは 「理論的根拠があるわけではないが、株価はある経験則にしたがって変動する」ということです。

コイケjr.

え、じゃあそのアノマリーがわかれば勝率があがるかなぁ?

というわけで、よく当たるものをご紹介しましょう。

株のアノマリー①:SQのアノマリー

SQとは?

SQとは
先物取引やオプション取引など、最終的な決済期日で決済するための清算価格(指数)のことです。毎月第2金曜日はオプション取引の満期日となっていて(3・6・9・12月の第2金曜は先物取引の満期日でもあります)、その前日までに建玉を決済しなければなりませんが、決済されていない場合、SQ日に強制的に決済されることになります。
SQ日 決済対象
メジャーSQ 3・6・9・12月
第2金曜日
先物取引とオプション取引
マイナーSQ 1・2・4・5・7・8・10・11月
第2金曜日
オプション取引

 

SQ日とその前日は、先物とオプションの決済関連の取引が活発になり、株価の乱高下が激しくなりやすいです。

コイケ

先物取引とオプション取引の清算が重なるSQをメジャーSQ、それ以外のSQをマイナーSQと言います。

SQのアノマリーを利用して勝率を検証

SQのアノマリーではメジャーSQは株価が上がりやすく、マイナーSQは株価が下がりやすいと言われています。

「メジャーSQ日に寄りで買って引けで売る、マイナーSQ日は寄りで売って引けで買い戻す」というデイトレードをした場合、勝率はどうなるか検証してみます。

銘柄は日経平均の2倍の動きをするETF「1570(NEXT FUNDS)日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」を使い、10株だけ売買するとしてシミュレーションした結果がこちらです。

2020年損益 2021年損益
1月 +1,000 -1,000
2月 +300 +2,900
3月 +3,800 -4,900
4月 +700 -1,100
5月 -3,200 -100
6月 +7,200 +1,100
7月 +4,000 +600
8月 +900 +1,100
9月 +3,400 +2,000
10月 +1,300 -1,100
11月 +900 +3,100
12月 -2,200 +2,800
年間損益合計 +18,400 +5,400

2020年と2019年についてしか調べていませんが、この2年はアノマリーに割とハマっていて勝率もそれなりに高いですね。

でも株に絶対ということはありません。あくまでも参考程度にしてください。

コイケ

これは1日で取引を終えるデイトレードですが、SQ週の水曜日に仕込むなど、もう少し長めのスパンで取引するとまた結果が異なるかもしれません。

確実に言えることはSQ日というのは決済価格が決まるため、寄り付きの気配が極端に高かったり低かったり、とてもおかしな状態になります。寄り付き直後は上下に大きく値が動き、ボラティリティが高いので、買いでも売りでもある程度の値幅が確保できることから、デイトレードにおすすめの1日と言えるかもしれません。

株のアノマリー②:月別アノマリー

有名な月別アノマリー

1月
1月効果
1月は1年の始まりとして株価が上がりやすいとされています。ただ、あまりに有名なアノマリーとして知られているために、近年はファンドが1月効果を期待して12月に先回り買いをしたり、12月までの流れとは逆になるなど、どうやらアノマリー通りにはならないとも言われ始めています。

2月~3月
節分天井彼岸底
このアノマリーも有名で、1月から上昇基調だった株価が、2月にピークをつけて3月に下がる、といったものです。ただ、近年は3月にかけて上昇することが多いようなので、これも近年はあまり当てになりません。
5月
セルインメイ
これも有名なウォール街の格言で「夏に向けて株価は下がりやすいので、一旦売れ」という意味です。5月が天井となるかは微妙なところですが、確かに夏~秋の初めは下落基調なのでその前に売るべきなのは当たっているのかもしれません。
7~8月
夏枯れ相場
夏枯れは市場関係者が長期休暇のために取引高が減少することに起因するものです。実際に取引高は減少するので夏枯れ相場となるのは間違いないでしょう。ただ、2020年はコロナショックがあり投資家の購買意欲が高まったためか夏枯れとはなりませんでした。このようなイレギュラーな場合もあるので注意しましょう。
12月
師走相場・年末相場
12月は師走相場・クリスマスラリーなどと言われ、株価が上昇しやすいのは有名です。年末商戦の本格化・年明けご祝儀相場を期待した先回り買い・ボーナス時期という背景からも、上昇しやすいと言われるのも頷けます。

月別騰落率データを利用して検証

月別アノマリー騰落率

上記は株価の月別騰落率を表したグラフです。若干アノマリーとは違うところもありますね。

アノマリーとこちらのデータをもとにすると、やはり12月は師走相場で上がりやすく、かつメジャーSQのアノマリーでも上がりやすいとされているので、そこを利益確定ポイントとし、地政学リスクの観点からもあまり長期保有はしたくないので10月末(権利落ち日)から購入するとしてシミュレーションをしてみることにします。

日経平均を10月末の権利落ち日に買い、12月のSQ日に売った場合の騰落率がこちらです。

※権利落ち日は2019年以降は月末の前営業日、2009年~2018年は月末の2営業日前、2008年は月末3営業日前としています。ややこしいですが当時のルールに合わせています。

10月末日経平均 12月SQ日経平均 騰落率
2020年 23,331 26,652 +14.2%
2019年 22,843 24,023 +5.1%
2018年 21,149 21,374 +1.0%
2017年 22,008 22,811 +3.6%
2016年 17,336 18,996 +9.5%
2015年 18,903 19,230 +1.7%
2014年 15,553 17,371 +11.7%
2013年 14,325 15,403 +7.5%
2012年 8,929 9,737 +9.0%
2011年 8,926 8,536 -4.3%
2010年 9,387 10,211 +8.7%
2009年 10,075 10,107 +0.3%
2008年 8,211 8,235 +0.3%

なんと私自身も驚いてしまったのですが、勝率90%超になりました!2008年~2020年のうち、上昇しなかったのは2011年のみ。

今後も必ずその通りになるかはわかりませんが、これは…結構すごい結果になりましたね。正直教えたくない(笑)。

まとめ:株のアノマリーで稼ぐ方法

検証からわかるように、やはり株のアノマリーは当たる確率が高いようです。「投資をしたい」「損失を取り戻したい」と思うと今すぐにでも行動に移したくなる気持ちはわかるのですが、闇雲に手をだすよりも「投資すべき時」を待ってから始めることが成功の近道かもしれません。

とはいえ、1年に1回とか月に1回とか待てないですよね。何かしらのポジションを持っていればチャンスがあるのでは?と思ってしまうと結局失敗してしまいます。大損の恐ろしさを知らない方はこちらの記事も是非ご覧ください。

アノマリー信者が増えて、先回りして買いに回る投資家が増えれば、今後もそのように動くとは限らないのですが「夏季休暇に伴う取引減」「年末商戦の激化」「年明けのご祝儀相場の期待感」という事実は今後も変わらないと思います。イレギュラーな事態が起こらない限りは「夏枯れ株安」「12月株高」は今後も当たる確率が高いので、ぜひそこを理解したうえで取引に臨むとうまくいくかもしれません。先回りする人が増えると当たらなくなるので、あまり言いふらさないようにお願いしますよ(笑)